水圏環境に関わる学習者の学びに焦点を当てる
水圏環境教育研究会では,水圏環境に関わる学習者の学びに焦点をあてることによって研究を進めます。この研究姿勢は,学術研究においては一般的ではありません。教育学は歴史のある学問で,その歴史的背景から、諸外国との比較研究,教育史研究,教育哲学研究等の理論的研究が盛んです。文献研究が一般的であり,学習者を分析対象とする場合は,二次資料を対象としていました。
また,教科教育研究では,その学問分野の基礎的研究に基づいた教材開発に関する研究は少なくありません。しかし、その有効性の検証は,十分に研究されるに至りませんでした。
心理学の研究手法を利用した,学習者の姿を明らかにする研究があります。それらの研究では、比較的統制された条件下での学習者の姿を分析し、その結果を現実の教室に適用することを意図していました。しかし、現実の水圏環境は多様な要因が複雑に絡み合い,現実の学習者の姿を必ずしも示すものではありません。
水圏環境における実践研究においては、生の学習者を分析する研究は行われていましたが,十分にその分析手法が確立された理論等が利用されることは余りありませんでした。 しかし,教育者に新たな視点を与える理論、学習者の姿を整理する分析手段はあります。
我々は、水圏環境に関わる教育者,また学習者自身が対面している姿を分析する「新たな学術研究」を目指して取り組んでおります。それによって、水圏環境における教育の有効性を明らかにしたいと考えております。